COM Express はカスタムキャリアと市販のシステムコアを組み合わせることができるため、カスタマイズはしたいものの、再設計のための時間や量がないユーザには最適なソリューションといえます。生産量が年間 500 ~ 10,000 台程度のシステムインテグレーション計画には最適なオプションです。COM Express は、完全なカスタム設計よりもメリットがあります。エンジニアの複雑性を回避し、生産最低量のハードルを下げ、タイムリーに製品を市場へと送り出すことができます。キャリアボード設計の平均所要時間は、完全カスタムの OEM ボードの半分で済みます。
miniBASE-10R は Mni-ITX サイズのキャリアボードです。ユーザが選んだ COM Express タイプ 10 モジュールと市販のアドオンカードで、ご自身のソフトウェア開発やハードウェア検証に適した最終製品の機能を実行することができます。
ターゲットシステムのためのプロトタイプを構築するには、下記が必要です。
- COM Express タイプ 10 モジュール
- miniBASE-10R キャリアボード
- PCI Express ベース、または USB ベースのアドオンカード
- SATA ストレージまたはフラッシュディスクソリューション
miniBASE-10R はミニサイズタイプ 10 ピン配列 COM Express モジュールに対応しており、1 つの Mini PCIe カード、1 つの Mini PCIe/mSATA カードスロット、1 つの SD カードに適応します。
miniBASE-10R はスマートバッテリー管理システムと統合し、2 つのスマートバッテリーと 19V アダプタ入力に対応します。統合型スマートバッテリー管理システムは、スマートバッテリーマネージャ規格に準拠しており、バッテリー電源のサブシステム、スマートバッテリー、ホストシステム(COM Express モジュー)との間の通信にシステム管理バス (SMBus) を使用します。ACPI に対応し、各種 OS において完全なスマートバッテリー管理機能を提供します。
ADLINK の COM Express モジュールは BIOS を搭載し、COM Express 規格にある既存のインタフェースを利用したすべてのスマートバッテリー通信に対応しています。また、統合型スマートバッテリー管理システムとも互換性があります。統合型スマートバッテリー管理システムはまさに概念を実証する電源サブシステムであり、迅速な開発によりバッテリーを下記のような方法で COM Express システムに統合させることができます。
- 設計段階においてユーザのプロトタイプシステムのバッテリサブシステム機能を実行
- システムカスタマイズのために用意された、すぐに使える電源サブシステム
- バッテリーサブシステムをカスタム設計のキャリアに統合するためのリファレンス設計として使用可能