高速または重量がある回転運動の締め付け機構を検討する際、慣性モーメントの影響により過大外力がボルトにかかるため緩み易くなり、その解決方法に苦慮します。ボルトナットの組み合わせでは緩み防止方法が幾多もありますが、その分ナットの重量がかさみ負荷増大になります。そのため多くは構造体に直接ボルト締めする方法となります。
例えばスカラロボットなどのように水平往復運動の急停止、急発進においては大きな慣性がかかりボルトなどのネジ機構は緩み易く、安全をみて大きなサイズにすると慣性が高くなり駆動負荷が増大することとなります。
このような場合、フリクションパッド・フリクションシムは静摩擦係数が高い処理が施されたシート状のパッド・シムなので、ボルトに対しワッシャのように使用でき、それが緩みを防止します。
本数減、重量減、小サイズ化により負荷減少と滑らない回り止めになります。
フリクションパッド・フリクションシムの基材はスチールベルトに使用する高張力ステンレス鋼を採用し、両面に超硬合金を密着加工しているので高い剛性と湾曲性にも富んでいます。
そのほか、過大な力がかかった時ずれるようにする、ハンドリング時に耐久性があるザラザラ面が欲しいなど、回転・接触などで摩擦係数が高く耐久性を要求する場合に使用できます。
特徴
■ 表面の突起が超硬のため強靭で耐摩耗性に優れ、微小な突起が相手側の部材にしっかりと密着して高摩擦を実現するシート状超薄型のフリクションパッド・フリクションシム
■ 0.2mm程度の極薄のシートから、ご要望の形で製作可能
■ 基材が高張力ステンレス鋼のためフレキシブルで、錆や腐食の心配がない
■ ご支給金属基材の一部分に直接加工も可能(加工部以外はマスキングします)