電圧標準の維持と利用のための簡単な手段
フルーク 732C DC 標準器は、一次/二次標準器室における電圧の維持に最適な RoHS 準拠の直流電圧標準器です。732C 電圧標準器はそれぞれ 10 V、1 V、および 0.1 V の電圧の出力が可能で、校正室内で標準器を管理するだけでなく、離れた場所にも簡単に移送できます。734C DC 電圧標準器は、電気的/機械的に独立した 4 台の 732C DC 標準器で構成されており、ラック・サイズの筐体に収納されています。基本モデルと特別モデルが用意されており、特別モデルは基本モデルの 2 倍の安定度を実現しています。
734C 標準器を構成するそれぞれの 732C は、標準器室レベルの品質を実現した最初の 10 V 電子基準である 732A DC 電圧標準器と同じアーキテクチャーに基づいており、優れた安定性や予測可能なドリフト率など、期待を裏切らない優れた性能を備えています。さらに、732B DC 電圧標準器に匹敵するほど小型で、ポータビリティにも優れています。また、734C は 732B DC 標準器とも互換性があり、732B および C モデルはどのような組み合わせでも使用できます。同様に、734A も新しい 732C 電圧標準器と組み合わせて使用できるため、優れた柔軟性と資産活用率を実現します。
734C のサポートを簡素化するために、フルークはさまざまな種類のトレーサブルな校正サービス (国家標準までトレーサブルな 当社保有の 10 V ジョセフソン・アレイを使用) を提供しており、10 V 出力のそれぞれについて基準値および予測性能を割り当てています。
優れた確度と安定性を備えた 10 V 標準器
校正室に 734C があれば、一次電圧標準を確立/維持も驚くほど簡単です。時間の経過と共に、4 つのユニットの相互比較と 1 つ以上のユニットの定期的な校正を頻繁に行えば、734C の不確かさを 1/3 に低減することができます。
1984 年からジョセフソン・アレイを取得するまでの間、当社の一次標準器室ではこの方式に従って社内電圧標準を維持することで、絶対不確実さを国家標準までトレーサブルな ± 0.35 µV/V という優れた確度を達成していました。
1 V および 0.1 V に対応 (734C)
1 V と 0.1 V は、デジタル・マルチメーターにおける主要な校正/検証ポイントです。734C では、精密薄膜ネットワーク抵抗器 (フルークの自社薄膜成形施設で製造) を活用することで、これらの 2 つの出力を標準装備しています。外部デバイダーを必要としないため、測定のセットアップが簡素化され、人為的なミスも起こりにくくなります。
要求の厳しいアプリケーションにも対応できる特別モデル
要求の厳しい校正対象を扱っている校正室や、標準器を校正するために他の校正室に送付しなければならない状況に直面している校正室など、一次標準測定施設レベルの高度な校正機能を必要としているお客様のために、フルークでは特別モデルを用意しています。基本モデルも特別モデルも校正のプロセスに違いはありません。唯一異なる点は、特別モデル (732C/S/C または 734C/S/04) の場合、当社が保有する J-Array に対して比較を行い、180 日間のドリフト特性データを取得しており、2 倍の安定度を実現していることです (10 V)。このプロセスを使用することで、ドリフト性能に対する厳しい要件を満たすのに最も適した標準器を選択することができます。