温度ブリッジ・レベルの確度と、作業時間の短縮を同時に実現
1594Aおよび1595A スーパー・サーモメーターは、複雑で高額なブリッジの性能と、測定プロセスを簡略化し、優れた価値を提供する革新的な機能とを兼ね備えた温度計です。一次標準室でも十分対応できる確度を持ちながら、二次標準室でもご利用いただける価格設定です。温度制御された内蔵の標準抵抗、6つの入力チャンネル、大きなグラフィック・ディスプレイ、温度測定に特化した様々な機能など、白金抵抗温度計、サーミスター、標準白金抵抗温度計の校正 (0 Ω ~ 500 kΩ) がこれまでにないほど簡単に低価格で行える特徴を多数備えています。また、抵抗比自己校正機能により、スーパー・サーモメーター自身の抵抗比の検証、校正がボタン1つで行えます。温度ブリッジでは、これだけの機能、性能は実現できません。
スーパー・サーモメーターの主な特徴
• 標準白金抵抗温度計、白金抵抗温度計、測温抵抗体の校正 (0 Ω ~ 500 k Ω)
• 確度 0.06 ppm (0.000015 °C)
• “抵抗比自己校正機能” により、抵抗比の確度を検証および校正
• 自動ゼロ電流外挿測定により、温度プローブの自己加熱を算出
• 内部抵抗の温度制御
• 測定電流は校正されており、機器全体の不確かさを低減
• 正面パネルの4つのチャンネルに、試験対象のセンサーまたは外部標準抵抗器を接続
• 背面パネルの2チャンネルは外部抵抗専用
• スタンバイ電流により、チャンネル間をスキャンする際の過渡的な影響を軽減
• チャンネル選択キーを押すだけで測定モードのオン/オフを切り替え
• 最速サンプル・レート 1秒
• USBよりデータ転送およびコンピューター制御
• イーサネット経由でリモート・モニターおよび制御
• 自動校正ソフトウェア MET/TEMP II およびマルチ・チャンネルのリアルタイム・データ収集ソフトウェア LogWare II に対応
抵抗比の測定と絶対抵抗値の測定:ご自身で選んでください。
できる限り正確な測定を行うことが目的であれば、おそらく抵抗比 (Rx/Rs) の測定を選ばれるでしょう。代表的な抵抗比 (0.25 ~ 4.0) における1595Aの測定確度は0.2 ppmよりも優れています。さらに抵抗比が1に近いときの抵抗比の確度は、0.06 ppmにまで良くなります。通常の抵抗ブリッジよりも使いやすく便利な機器で、ブリッジと同程度の直線性が得られるのです。
例 1: 25 Ωの標準白金抵抗温度計と25 Ωの標準抵抗器を用いた場合、水の三重点での1595Aの抵抗比確度は0.06 ppm (Rx / Rs 1) 水の三重点の測定における不確かさが全てのITS-90の温度測定に影響することを考えると、これは非常に重要です。
例 2: 直接比較法では校正済みの、基準となる標準白金抵抗温度計を標準抵抗 (Rs) として定義し、校正対象のプローブと直接比較します。全温度校正レンジにおいて RX / RS 1 のため、1595Aの不確かさの、全体の不確かさへの影響は0.06 ppmを超えることはありません。他の影響を考慮しても、全体の測定不確かさをmK以上のオーダーで実現可能てす。
抵抗比の比較が最も正確な方法ですが、必ずしも最も便利な方法とは限りません。その点スーパー・サーモメーターは、温度制御された内部標準抵抗を用いて絶対抵抗値をΩで、または°C、Kに変換して表示します。スーパー・サーモメーターには1 Ω、10 Ω、25 Ω、100 Ω、10 kΩの標準抵抗が内蔵されており、様々な白金抵抗温度計、測温抵抗体、サーミスターを校正することができます。