ついに、水銀温度計の代替となるデジタル・サーモメーターが発売されました。1551A/1552A "Stik" サーモメーターは、全レンジにわたって ± 0.05 °C の確度と繰り返し性を備えており、工業用温度校正の新しい"ゴールデン・スタンダード"となる温度計です。
主な特徴:
• 全レンジで確度 ± 0.05 °C
• 本質安全(ATEX および IECEx 準拠)*
• 温度トレンド/安定度インジケーターの設定は変更可能
• 内部メモリーへのデータ・ロギング・オプションあり
• バッテリー寿命300時間
• バッテリー寿命のパーセント表示、低バッテリー・インジケーター
• NVLAP 認定校正(NIST トレーサブル校正)
センサーと指示計器が一体に
ステンレス製のプローブとデジタルの指示計器が固定され、1つのシステムとして校正されています。確度の仕様には、ドリフトなど、最大1年の不確かさの要素が全て含まれているため、簡単に理解できます。ディスプレイは90° 回転可能でどの角度からでも読みとりやすい、バックライト付き大型液晶ディスプレイです。安定度/トレンド・インジケーターはユーザーが設定可能で、温度が十分に安定して正確な測定が可能になったら知らせてくれます。電源の自動オフ機能もユーザーが設定可能ですが、これにより300 時間(代表値)ものバッテリー寿命が実現しました。低バッテリー・インジケーターと測定停止機能が、低バッテリーが原因で起きる測定エラーを防ぎます。また、簡易的な三点校正機能で"Stik" サーモメーターの校正を簡単かつ正確に行うことができます。ロギング・オプション付きのモデルなら、タイムスタンプ付きの測定値を最大10,000件、内部メモリーに保存することができます。
なぜプロセス温度計を校正する必要があるのでしょうか?
温度は、容積測定の確度に大きく影響するため、化学薬品、製薬、食品、石油製品などのプロセス・メーカーには正確な温度測定が求められます。品質や取引用計器が公的機関により規制されている場合には特に重要です。温度センサーは時間とともにドリフトの影響を受けやすいため、信頼できる基準温度計で定期的な校正や検査を行う必要があります。ただし、正確で繰り返し性が高く、丈夫な基準温度計を見つけるのは簡単ではありません。
基準温度計の欠点
水銀温度計(ASTMなど)やポータブルの電子温度計のような、現在市販されている工業用の基準温度計は実用的ではありますが、どちらも固有の問題があります。水銀温度計は、正確で再現性がありますが、壊れやすいという欠点があります。また、水銀が漏れ出すと環境および人体に害を及ぼす恐れがあります。アメリカや多くのEU諸国では既に工業用のアプリケーションでの水銀温度計の使用を禁止しています。水銀温度計をより丈夫なポータブルの電子温度計で代用しているところもありますが、結局のところ抵抗温度計は正式な基準温度計に必要とされる繰返し性と信頼性を備えていません。
水銀温度計に対する最高の代替手段
フルークの“Stik”サーモメーターは正確で安定度が高く丈夫なため、水銀温度計や既存の電子温度計と置き換えるには最適です。センサー部分は薄膜タイプの抵抗温度計で、フルーク・キャリブレーションの他の高品質な基準温度計と同じ特性を持ちながら、より丈夫でドリフトしにくい設計がなされています。耐久性に優れていますが、そのために確度や繰返し性が犠牲になったりはしていません。