ミクロフィルターとは?
そもそも“ミクロフィルター”とは何か?精密ろ過と呼ばれる高機能製膜の一種で、「0.1~数μm程度の微粒子・微生物をろ過によって分類するために用いる膜」と定義されています。
富士フイルムは、長年の写真事業で培った①製膜技術②精密化学技術③品質管理技術を応用して、精密ろ過フィルターを1970年に商品化しました。いくつもの技術改良を経て開発されたポリスルホン製(PSE)の膜は「非対称構造膜」という独自の膜構造を持ち、その特徴的な濾過性能を活かしてさまざまな分野に貢献してきました。高い技術力を持つ富士フイルムだからこそ作れたアブソリュートタイプ*1のメンブレンろ過フィルターになります。
ビール、ミネラルウォーター、ワインなどの飲料ろ過をはじめ、各種産業(電子部品、ディスプレイ、製薬、化学ほか)での超純水または薬液ろ過に、国内外で幅広く使用されています。
*1 アブソリュートタイプ:吸着による捕捉ではなく、物理的な穴で異物をふるい分ける方式のカートリッジフィルター。
富士フイルム独自の膜構造で、入水側(一次側)と出水側(二次側)で、異なる孔径(ポアサイズ)が分布している膜になります。一枚のメンブレン膜内に、異なる孔径を分布させることで、大きい異物から小さい異物まで、効率的に捕捉することが可能です。同一膜内に、孔径を連続的に分布させる技術は、富士フイルムが独自に実現しました。
ロングライフ(高耐久性)の実現
従来のろ過フィルターは孔径のサイズが均一でした。これは入水側(一次側)で異物が捕捉されると、その時点で目詰まり(表面閉塞)を起こしてしまいます。これに対し、富士フイルムの非対称構造膜は、大きな粒子は表面の粗い穴で、小さな粒子は深部の緻密な穴で捕捉し、膜の厚み方向を最大限活かすことが可能です。これによりミクロフィルターの長寿命化を実現しています。
高流量の実現
一次側の孔径を大きくしているため、初期の圧損が生じづらくなっています。さらに、最も抵抗値が高い緻密層を薄くすることで、高流量を実現しています。処理流量が増えることで、お客さまの生産効率向上が期待されます。