高剛性形クロスローラベアリングVは、内外輪ともに一体構造(非分割)で、取付誤差なども発生しにくく、高精度・高剛性です。また、ころところの間にセパレータを組み込んでいるので回転が円滑で回転速度が比較的高いところにも適しています。 この軸受はコンパクトで高い剛性と回転精度を必要とする産業用ロボット、工作機械及び医療機器などの旋回部に広く使用されています。なお、ステンレス鋼製や、内外輪に取付け穴を設けた軸受も製作しますので、IKOにお問い合わせください。
一体構造の内輪と外輪の間にころを直交させて配列させています。また、ころところの間に回転を円滑にするセパレータを組み込んでいます。
開放形と密封形があり、密封形には特殊合成ゴムの密封シールを組み込んでいます。クロスローラベアリングは、内輪と外輪の間にローラを直行させて配列したコンパクトな構造の軸受です。 ローラの直行配列によって、あらゆる方向の複雑な荷重を1個で同時に受けることが可能なため荷重方向に左右されずに組付けることが可能です。
ローラの直交配列によって、接触角45゜の単列ローラベアリングやボールベアリングの背面取付け2個分を1個分の断面積に抑えた構造となっており、省スペース化に貢献します。
図は、ターンテーブル回転部の断面図です。ターンテーブルにモーメントが加わったときの作用点距離はLとなり、軸受の許容モーメントは作用点距離Lに比例します。ターンテーブルのモーメント剛性を上げるために作用点距離Lを大きくする場合、アングラボールベアリングでは2個必要です。また軸受間距離を大きくとる必要があるため、装置は大きくなります。しかしクロスローラベアリングでは単体でも作用点距離Lを大きくとることができるため、装置の省スペース化を実現し、なおかつモーメント剛性を向上することが可能です。
軸受内部の転動体にローラを使用した線接触構造のため、ボールタイプの軸受と比べ剛性が大幅に向上します。例えば、複列のアンギュラタイプボールベアリングと比べ、断面寸法はコンパクトでありながら剛性は3~4倍向上します。