先進のAIテクノロジーが実現する
未知物質 構造解析ソリューション
msFineAnalysis AIは、GC/EIデータとGC/ソフトイオン化データを組み合わせた新しい定性解析"統合解析"と、2つのAI (メインAI、サポートAI) による"構造解析"を実現した、JEOL製JMS-T2000GC AccuTOF™ GC-Alpha専用の未知物質構造解析ソフトウェアです。
msFineAnalysisシリーズで搭載してきた機能は全て踏襲しています。msFineAnalysis AIでは様々な機能で得た解析内容に対して自動構造解析が可能です。
先進のAIテクノロジーが実現する今までにない自動構造解析システムが、GC-MS定性分析の常識を覆します。
特長
#1 AI構造解析
革新的なソリューションへ進化
未知物質の分子式推定から構造式推定へ
ライブラリーデータベース未登録の未知物質 ( ▼ ) に対し、従来のmsFineAnalysisでは分子式を自動で提供しました。
msFineAnalysis AIを使えば、未知物質の構造式 (予測) が自動で得られます。
ソフトイオン化法の必要性:確実な分子式情報取得が構造解析の第1歩!
EI法はライブラリーデータベースに多くのスペクトルデータが登録されており、GC-MSの定性分析に幅広く活用されています。しかし、EI法は最もハードなイオン化法であるため、分子イオン以外にも多くのフラグメントイオンが観測され、分子イオンが全く観測されないこともしばしばあります。
そのため、ライブラリーデータベースに未登録の未知物質の場合、EIマススペクトルだけでは観測された最もm/z値が大きいイオンが分子イオンなのか、それともフラグメントイオンなのか、その判別は困難となります。そのような場合はソフトイオン化法が有効となります。
AccuTOF™ GC-AlphaではFI・PI・CIといった多彩なソフトイオン化法が使用可能です。また、ソフトイオン化法は、分子イオンやプロトン付加分子といった分子量情報を与えるイオンを観測しやすく、さらに精密質量を組み合わせることによって、未知成分の分子式情報を正確に得ることが可能となります。
未知物質のAI構造解析における出発点としても分子式情報が必要なため、ソフトイオン化法による分子式情報取得はますます重要になっています。
熟練した解析者による手動構造解析 vs AI自動構造解析
アクリル樹脂のPy-GC-TOFMS 測定データで観測されたNIST ライブラリーデータベース未登録化合物に対する構造解析に要した時間を比較しました。質量分析に携わって30 年以上の熟練した解析者でも、4 成分の構造解析に約2 時間、つまり1 成分あたり30 分程度を要しました。
一方、AI 構造解析では、100 成分の構造解析に7 分弱、つまり1 成分あたり4 秒で構造解析を終了しました。
2つのAIによる自動構造解析
オンライン環境不要で安定的な構造解析を実現
msFineAnalysis AIでは自動構造解析機能を実現しました。世の中で認知されている1億個あまりの有機化合物の構造式情報と新規に開発した2つのAIモデルによる計算から、ライブラリーデータベース未登録成分であっても構造式候補を提供します。
AI 構造解析の予測精度
AI構造解析に使用しているメインAIの学習と評価には、NIST20ライブラリーデータベースを使用しました。
予測精度評価では、73%の割合で正しい構造式を上位1%以内、93%の割合で上位10%以内で確認することができました。