水中のアンモニア性窒素とは、主に生活排水中の窒素含有有機物が微生物の働きで分解された生成物や、コークス合成アンモニアなどの工業排水、農地排水などに由来する遊離アンモニアの状態のことを指します。水中のアンモニア性窒素の含有量が多いと、程度の差はありますが、魚に毒性があり、人体にも有害です。水中のアンモニア性窒素含有量を測定することは、水質汚濁の評価や「自浄作用」に役立つので、アンモニア性窒素は水質汚濁の特徴を把握するための重要な指標となります。
基本的な原理
水試料をマスキング剤と混合した後、遊離アンモニアまたはアンモニウムイオンが形成するアンモニア性窒素は、アルカリ性環境および増感剤の存在下でサリチル酸発色試薬と反応して発色錯体を形成する。分析計は色の変化を検出し、この変化をアンモニア態窒素の値に変換して出力し、生成した着色錯体の量がアンモニア量に相当する。
応用分野
工業用汚濁源排水のオンラインモニタリング
工業用水処理水のオンラインモニタリング
都市下水処理場における輸出入水質のオンラインモニタリング
河川、湖沼、貯水池、地下水水質のオンラインモニタリング
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