1987年にNAND型フラッシュメモリが発明され、1991年に世界で初めて量産されて以降、メモリ素子配線幅の微細化により記憶容量を増やしてきました。しかし微細化によって引き起こされる様々な問題により、平面構造のNAND型フラッシュメモリでは更なる容量増に対する技術難易度が非常に高くなっています。
そこでこの問題を打破するため、フラッシュメモリの3次元積層構造が考案され2007年に世界で初めて公表注1、開発が進められ三次元フラッシュメモリ:BiCS FLASHが製品化されました。
ターゲットアプリケーション
IoT時代の到来, SNSの普及,ますます高精細になる写真や動画などにより、今日の情報化社会で取り扱われるデータの量は増加の一途を辿っています。これらの大量のデータを管理するビッグデータシステムや、情報を半永久的に保存するデータセンターやクラウドサービスなど、情報処理の現場ではリアルタイム性が重視され、データを低消費電力で高速に処理、記憶、および管理できる大容量ストレージが求められています。またスマートフォン、タブレット、メモリカード等は低消費電力化が求められています。
平面構造のNAND型フラッシュメモリと比較して多くの特長を持つBiCS FLASHは、これらの市場要求に応える最適なソリューションです。
BiCS FLASHの特長
高密度化/大容量化
従来のシリコン平面上にフラッシュメモリ素子を並べたNAND構造ではなく、シリコン平面から垂直方向にフラッシュメモリ素子を積み上げた構造を取っているため単位面積当たりのメモリ容量が増加しました。
高速化
2D NANDと比較してメモリセル及びメモリセル間のサイズを広げることが可能なため、1度に書き込めるデータ量が増加し書き込みスピードが向上しました。
低消費電力化
1度に書き込めるデータ量の増加(=書き込みスピードが向上)により、同一書き込みデータ量での消費電力を削減しました。