ガスタービンエンジンの構成部品の中で、燃焼室より後方にあるタービンブレード(可動翼)とベーン(固定翼)には耐熱合金が使われています。その翼面には冷却用の小径穴が数多くあります。EDBV8は、この穴を一回の段取りで、極めて短い時間で創成加工することができます。
電極消耗率の高い加工条件(100%)を積極的に使用し、高速加工を実現しました。回転するパイプ電極による創成加工は、パイプ電極径の全周における消耗が均一になるという特性を活かしています。さらに、安価で且つ調達の容易な標準市販品のパイプ電極を使用することによって、さまざまな形状にあわせた加工パスで、効率的に加工します。
標準品のパイプ電極を使用して、ディフューザ形状にあわせた加工パスをプログラミングすることで、効率的な創成加工を行います。パイプ電極の穴から最大7MPaの高圧噴流を吐出することで、チップ排出を促進して高速加工を実現します。
電極がワークを貫通したかを検出する機能を標準装備しました。電極が深く入り過ぎて、他の箇所を誤って加工すること(バックストライク)を防ぎます。水中での加工は、穴貫通時の抜け際でも放電状態が安定しやすく、貫通検知の精度を向上します。
2軸の傾斜割出テーブルを採用しました。最大ワーク質量は50 kgです。ワーク高さに合わせて電極ガイド先端を位置決めするガイドアーム(W軸)、長尺のパイプ電極を使用するときに、電極の中間点で発生する回転振れの拡大を抑える、回転振れ防止フィンガなどの独自技術を装備しています。
パイプ電極の収納本数は24本、最大工具長は470 mmです。