当社の卓上型X線回折装置(XRD)である Aeris(エアリス)は、これまでは大型のフロアスタンディングの装置でしかできなかったデータ品質とデータ取得速度を実現しています。組み込みタッチスクリーンと直感的なソフトウェアにより、だれでもこの装置を簡便に使用することができるほか、出力したデータは床置き型のX線回折装置と共通の解析ソフトウェア High Score上で,化合物の同定、定量、結晶化度、結晶子サイズ解析及びリートベルト法による結晶相の定量、結晶構造解析等、多様かつ詳細なデータ解析ができるようになっています。
Aerisはマルバーン・パナリティカルのX線回折装置(XRD)として、産業用途における卓上型での最良データ取得と完全自動化の実現を可能にします。 Aerisは低価格で提供できるように設計されたX線回折装置(XRD)で、アプリケーション特有のニーズに合わせて4タイプのエディション(セメント(Cement)、鉱物(Minerals)、金属(Metals)、および研究(Researchエディション)もご用意しています。
卓上型にハイエンドモデルの光学系を継承
一般的に卓上型のX線回折装置のゴニオメータは、小型化・軽量化を意識したものが使われています。Aerisでは、正確性の高いフロアスタンディングタイプのX線回折装置(XRD)と同様のゴニオメータ、さ
らにはX線管球、高速検出器を搭載しています。
• 1%以下の結晶相、結晶多形が検出可能な高感度
• 21 CFR Part 11準拠のData Integrity SW
• 試料水平方式で粉末試料の脱落の心配なし
• 冷却水装置不要で設置維持費を大幅削減
参考ブログ記事:グリーンセメントを実現するためのXRDの重要な役割
検出感度と分解能
従来の卓上型粉末X線回折(XRD)と比較して、低角度側のバックグラウンドが低下し、微小なピークが検出しやすくなりました。
また、卓上型X線回折(XRD) でありながら半値幅 0.04°未満のプロファイル分解能を実現しました。精密なリートベルト解析に効果を発揮します。
正確性と再現性
ハイエンドモデルのX線回折装置(XRD)と同等の高精度ゴニオメータを搭載することで、角度直線性が ±0.02°以内という信頼性の高いデータを取得可能にし、良好な繰り返し測定再現性を実現しています。
安全性
X線照射部・測定部・検出系は密閉構造となっており、安全性が確保された装置です。測定時、試料は装置外部の試料台に設置すると、自動で測定部に運ばれ測定作業が始まります。
豊富な結晶情報が得られる日本語対応X線回折(XRD)研究用ソフトウェア High Score
柔軟な解析
• 独自のアルゴリズムを採用したサーチマッチ機能により正確度の高い同定を実現
• 元のデータフォーマットを変更することなく解析可能
• 数十年に渡り改良を続ける自社開発リートベルト解析アルゴリズム
• 高次関数や複数モデルを柔軟に適用し高精度なフィッティングが可能
• クラスター解析機能により測定データの自動分類分け
• 天然物由来試料のような複雑なデータも統計的に解析できる PLS (回帰計算)分析
便利な機能
• X線回折に必要な高度な回折機能が1つのソフトウエアに「完全統合」
• 研究者用の高度な回折からQA/QC用途まで1つのソフトで対応
• 保存した解析条件を複数のデータに 自動処理、さらに任意のパラメータを一括エクスポート
• コピー / ペースト、Undo/Redo機能を利用してフィッティングの調整が可能
• 紙に描かれたチャートもデジタルデータに変換できる Bitmap Scan Converterにより、古いデータや他社データの読み込みと比較解析が実現
• 特殊な動作環境は必要なし