三菱マテリアルは、フライス加工と旋削加工の両方の用途に対応する非常に特殊な材種シリーズを開発しました。
この革新的な材種の主な特徴は、新開発のAL-Richコーティング法の採用によるものです。窒化アルミニウムチタン(Al,Ti)Nの高度なCVDコーティングは、アルミニウムとチタンの化合物であり、非常に硬く耐熱性に優れているため、高度な切削工具のコーティングとして広く使用されています。
(Al,Ti)Nの硬度はAlの含有比率が高くなるほど高くなるが、従来技術ではAlの含有比率が60%を超えると結晶構造が変化して硬度が低下する。
そこで、三菱マテリアル独自の技術による新コーティングプロセスを採用。これにより、Alリッチ皮膜はAl含有率を高めても結晶構造が変化しない。これにより、Al含有量を高めることが可能となり、より高い硬度の(Al,Ti)Nが得られる。
MV1000 シリーズには、合金鋼やステンレス鋼から鋳鉄まで、幅広い被削材を加工できるフライス用材種 MV1020 と MV1030 の 2 つの新材種があります。旋削用材種 MV9005 は、耐熱超合金の高能率加工に特化しています。
フライス MV1020 :この材種は、高度な耐摩耗性と耐熱衝撃性を有し、特に鋼やダクタイル鋳鉄の加工では、これまでにない切削速度で安定した切削を実現し、作業時間を大幅に短縮できる利点があります。
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