近年では、スキャナー溶接を利用することで、量産時に、きわめて正確で経済的なリモート加工を行うことができます。ガルバノミラーを使用することで、フォーカスレンズやワークを移動することなく加工領域内にレーザビームが照射されます。これにより、柔軟かつ経済的に加工を実施できるので、効率性が向上します。
高精度な位置決めと安定したプロセスの実現以外にも活用される、リモート加工用スキャナー光学系
ScanMasterは、スキャナー溶接向けに優れたソリューションを提供します。ワークに対する高精度な倣い機能、オートフォーカス機能、部品位置の検出機能とともに、高分解能の画像処理とプロセスモニタリングが集約されています。ScanMasterではモジュール設計が採用されており、どのパフォーマンス特性も個々の要求に応じてカスタマイズが可能です。
eモビリティの分野では強度、導電性および気密性が重要な条件ですが、パワーエレクトロニクスやバッテリーセルのコンタクトにおいては、高精度で正確、再現性のある生産を行うことが重視されます。
アドバンテージ
• 部品の認識およびオートフォーカスによるプロセスの安定化
加工時間の最適化には、部品の位置を高精度かつ短時間で検出することが不可欠です。X軸とY軸の両位置およびワーク表面までの距離は、再現性のある加工を柔軟に行うために必要な要素です。焦点位置は、加工領域全体でリアルタイムに調整することができます。
• インテリジェントなオンラインプロセスモニタリングと制御による加工信頼性の向上
溶接時に記録された測定データは、全数の品質管理のために使用されます。レーザ出力の調整はリアルタイムに行われます。難易度の高い、安全性に関わる部品の場合でも、生産上の誤差を速やかに検出するとともにリアルタイムで修正することができます。これにより、手直しやスクラップの発生が大きく抑えられます。
グレースケール画像の処理により、溶接シームを表示し、シームの形状をチェックできます。
• 一つのソフトウェアで直感的かつ論理的なデータ処理
多機能のマルチモニタリングモジュールにより、溶接プロセスのさまざまなデータを分析できます。全てのデータはユーザインターフェース(GUI)に集約され、ローカルに保存されます。また、タッチ機能を介して、レーザ出力、プラズマ量、温度、反射光などのパラメータを直感的かつ簡単に評価できます。
• 完全なトレーサビリティと透明性
システムは直感的に操作できて使いやすく、レーザ溶接に関する有用なデータが表示されます。データストレージとコンポーネントIDを組み合わせて使用することで、年数が経過してもレーザ溶接プロセスのトレーサビリティと透明性を一貫して確保できます。