振動式研磨機Qpol Vibro (Saphir Vibro)は、試料を変形させることなく表面を仕上げ研磨する装置です。この方法で準備した試料は、電子線後方散乱回折法(Electron backscatter diffraction:EBSD試料作製)による解析や原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope:AFM)によるナノインデンテーション、微小領域の硬さ試験に適しています。
材料が非常に緩やかに除去されるので、特に、チタンアルミや純銅、銅合金、アルミ合金、軟鋼、ニッケル合金などの柔らかで延性のある試料の準備に使用します。
直径308 mmの大きなボウルは、ホルダー全体を覆った試料や大きな試料を研磨できる十分な空間があります。また、埋込試料は同時に21個研磨することができます。ボウルには両面マグネットが付いています。工具や留め具を使わなくても、ボウルと研磨布の装備・取り外しと清掃をすばやく行えます。マグネットで留めるのに適した研磨布の直径は、300 mm または 305mm(12インチ)です。
タッチパネル式のユーザーインターフェイスは、初めてのユーザーでもすぐ使いこなせるように設計されています。
投入する試料の質量に応じて、最適な振動数が60~120Hzの範囲で自動的に選択されます。そのため、手動で調節する必要はありません。
振動研磨工程には長時間かかることが多いので、Qpol Vibroには、QATM独自の表面保護機能が備わっています。これは、プログラムした研磨工程が、オペレータのいない間に終了した場合に、仕上がった試料の表面が結晶化したり錆びたりするのを防ぐ機能です。
さまざまな材料に応じて、設定済みの研磨方法と消耗品のなかから選択できます。
設定済みの消耗品リストは、ユーザーが変更することができます。
研磨方法の設定は、最大200件保存することができます。
作業環境の汚染を防ぐために、Qpol Vibroには、外部の排気装置と排気管を接続するプラグが付いています。また、振動を吸収する構造になっているので、運転時の騒音が抑えられます。
長所
マグネット式でボウルをすばやく交換可能
試料の表面の結晶化と腐食を防ぐ表面保護機能
試料の質量に応じて振動数を60~120 Hzの範囲で自動的に調節
タッチパネル式の使いやすいユーザーインターフェイス
設定済みの研磨方法と消耗品リスト
低騒音、オペレータの介入なしに長時間連続運転可能
排気管接続用プラグ付き(安全性と作業環境を考慮)
個別に設定した研磨方法を最大200件保存可能