ソニーの偏光イメージセンサーには、複数方向の偏光子がそれぞれ画素のフォトダイオード上に形成されています(On-Chip Polarizer) 。明るさと色*1の情報に加えて、従来のイメージセンサーでは感知できない偏光情報も得ることができます。これまで可視化や認識が困難であった検査への応用など産業機器分野でのさまざまな可能性を広げます。
4方向の偏光子をイメージセンサーに搭載
当社の偏光イメージセンサーには4方向の偏光子が搭載されており、ワンショットで4方向の偏光画像を取得することができます(図1)。各方向の偏光子の輝度値からは偏光方向(光の振動方向)と、偏光度(偏光の度合い)を算出することができます。これらを後段の信号処理と組み合わせることでリアルタイム*2に偏光情報*3を得ることが可能になります。
グローバルシャッター機能搭載
産業機器の分野では、高速移動する被写体の撮影が求められますが、従来のCMOSイメージセンサーでは、ローリングシャッターによるフォーカルプレーン歪みにより、正確に被写体を識別できない問題がありました。IMX250MZR/MYR、IMX264MZR/MYR、IMX253MZR/MYR(ラインアップ情報参照)では、画素内にアナログメモリーを搭載し、グローバルシャッター機能を備えているので、フォーカルプレーン歪みのない高画質の撮影が可能です。
高フレームレート撮像に対応
列並列A/D変換技術を用いて、IMX250MZR/MYRで最大163.4frame/s(ADC 8 bit)、IMX264MZR/MYRでは最大35.7 frame/s(ADC 12 bit)、IMX253MZR/MYRでは最大68.3frame/s(ADC 8 bit)の高速撮像を実現しています。
ROI機能、および、トリガー機能を搭載
任意の領域を切り出すROI(Region of Interest)モードは、IMX250MZR/MYRでは最大8×8の64カ所、IMX264MZR/MYRでは1カ所を設定可能です。IMX253MZR/MYRでは8×8の64カ所を設定できることに加え、指定する領域の重なりを許容できるよう、領域指定の自由度が向上しています。また、外部パルスにより露光時間を制御するトリガーモードでは、さまざまな露光方法を用意しています。
偏光とは
光には、明るさ(振幅)、色(波長)、偏光(振動方向)の物理的な要素があります。 一般的な自然光や蛍光灯などの光はいろいろな方向に振動しており、その状態は無偏光あるいは非偏光と呼ばれますが、偏光板を介することで特定の方向に偏った光(偏光)を取り出すことができます。