当社焼結技術を活かした3Dプリンタの活用加速と量産部品での適用拡大を狙い、23年7月より三菱商事テクノス(株)と協業し、GE Additiveの最新バインダージェット式3Dプリンタ(BJ)を使用した「金型レス」での金属部品の試作・開発サービスを開始しました。
【想定用途】マニホールド、配管、熱マネジメント部品、インペラー等
バインダージェット式3Dプリンタの特徴
・ロット単位の造形、高速造形、大量生産が可能です。(パウダーベッド式対比)
・3次元で細かい形状の造形が可能です。
・従来実現不可能であった設計/デザインにより機能性向上/性能向上に貢献します。
「流路の最適化」による機能性向上/性能向上
部品点数の削減:一体造形により部品の溶接やロウ付け不要となります。
部品の軽量化 :強度を損なわずに軽量化を実現できます。
冷却効率の上昇:ラティス構造による排熱性向上を目的とした部品への適用が期待できます。
バインダージェット方式とは
積層造形、AM(Additive Manufacturing)技術の一種であるバインダージェット(Binder Jetting )式 は結合剤噴射方式とも呼ばれ、 薄く敷いた粉末にバインダー(結合剤)を 塗布しながら積層し、乾燥炉で成形体として 固めた後、焼結することで部品を造形する 製法です。 3次元形状の造形が可能です。
バインダージェット式 工程とメリット
1.造形工程
粉末を薄く敷き、バインダー(結合剤)を塗布する、を繰り返しながら積層し造形します。
2.キュアリング
乾燥炉で成形体を乾燥させます。
3.粉末除去
粉末の中から成形体を取り出します。 造形に使用されなかった周りの金属粉は再利用が可能です。
4.脱バインダー+焼結
取り出した成形体を炉に入れ、焼結します。
レーザー/電子ビーム方式の造形工程と比較すると、高速で複数段(高さ方向)の造形が可能なため、量産性が高い製法です。
金型が不要で、ご要望に応じて少量から大量生産する製品にフレキシブルに対応可能です。
レーザー/電子ビーム式と比較すると、粉末の急速な加熱/冷却工程がないため、造形時の歪みが少なく、サポート材との間や複雑形状部に発生するクラック等に対する品質保証度の向上に貢献します。
当社が使用するバインダーは、成形体強度が高く粉末除去時の破損リスクが低いため、複雑形状や大型製品の造形が可能であり、形状選択肢の幅を広げることが可能です。