ダイヤモンド砥石によるセラミックスの加工は「ハンマーでコンクリートの壁をたたいて穴をあけること」をイメージするとわかりやすいです。「ダイヤモンドという無数の小さなハンマー」でセラミックスの壁をたたき割って研削加工しています。
ハンマーには大小があります。また、形状も平らなものや先が尖ったハンマーがあり、力強く打ちたい時は大きな平らなハンマーを使いますし、正確に打ちたいときは小さな先の尖ったハンマーを使います。ダイヤモンド砥石も同様です。ダイヤモンド砥粒にも大小(番手で区分けしています)があります。また形状も寿命が長もちする角が鈍角のものや、切れ味重視の尖ったものがあります。効率が必要な荒加工にはカケにくい形の大きなダイヤ粒子を使いますし、精密な加工には先の尖った切れ味の良い小さな砥粒を選定します。
ハンマーの材質には鉄ハンマー、銅ハンマー、プラスチックハンマーなどの種類があります。ダイヤモンド砥石にもハンマーの材質に相当する砥石のボンドの種類で、電着、メタル、レジン、ビトリファイドなどあります。
効率良く加工したい荒加工には、鉄ハンマーに相当する硬いボンドのメタルやビトリファイドボンドが向いていますし、仕上げ加工や石英のようにカケやすい素材にはソフトなレジンボンドの砥石が適しています。
ハンマーの使い方ですが、大きなハンマーでゴンゴンと力強く打ち込む時もあれば、小さなハンマーでコンコンと正確に打つ時もあります。
ダイヤモンド砥石によるセラミックスの加工も荒加工では荒い砥粒の砥石で比較的低速回転で深く切り込みを入れて効率を優先しますし、一方仕上げ加工やカケやすい素材では切れ味の良い小さな砥粒の砥石で高速回転で小さな切り込みで正確に加工します。