ワルターは、まったく新しいコーティングテクノロジーを採用した旋削加工用チップ Tiger·tec® Gold(鉄系ワーク用途: 材種名 WPP10G / WPP20G / WPP30G)の発売を 2021 年 11 月より順次開始します。新しい工具材種の開発にあたっては、逃げ面摩耗 30 - 60 % 減をパフォーマンスターゲットとして設定し、130 回を超えるフィールドテストにおいて、平均 50 % の工具寿命延長を達成しました。新しい旋削チップの主な用途は、引張強度 600 - 900 N/mm2 の一般鉄系ワークおよび部品の軽量化に伴い用途が拡大している高張力鋼(1 000 - 1 400 N/mm2)です。鉄系ワークの加工が多い自動車産業、エネルギー産業および量産一般部品加工において、低い加工単価を実現するとともに、さまざまな用途へのフレキシブルな使用を可能にします。
合計 9 種類のチップブレーカーレパートリーにより、仕上げ加工、中加工および荒加工のすべてをカバーする旋削用 Tiger·tec® Gold チップは、新開発の特別なコーティングにより、高いプロセス信頼性、優れたパフォーマンスおよび工具寿命を実現します。特許申請済みの稠密微細柱状晶 MT-TiCN コーティングにより、逃げ面摩耗に対する抜群の耐性を実現するとともに、特別な多層構造により弾性を最適化して靭性を高めます。加えて稠密 Al2O3 層により、耐クレーター摩耗性も大幅に向上します。コーティングの最外層は明るいゴールド色で、摩耗の視認性がきわめて良好です。コーティング後、チップは複数ステージにわたって表面処理され、スムースかつ摩擦の低いすくい面を生み出すとともに、表面の応力状況を最適化により靭性が向上します。3種類の材種レパートリー WPP10G / WPP20G / WPP30G により、幅広い用途へフレキシブルに使用できます。WPP10G は耐摩耗性に優れた連続および軽断続切削向け材種、WPP20G は 50 % の用途をカバーするファーストチョイスの汎用材種、WPP30G は断続切削などの不安定または好ましくない加工の状況向けの高靭性材種です。